
NMNの試験
1904年にイギリスの科学者Arthur Harden氏が補酵素(コエンザイム)NADが存在することを明らかにしました。
1920年、スウェーデンのHans von Euler-Chelpin氏(1929年ノーベル化学賞受賞)らが、酵母からNADを抽出する方法(酵素法)を発見し、取り出したNADからジヌクレオチドの構造を発見しました。
1930年 ドイツ人将校Otto Heinrich Warburg氏は、NADの物質的および代謝における役割を発見し論文を発表しました。
1980年、オーストリアのグラーツ大学自然科学部教授George Birkmayer氏は、初めて原形NAD+をペラグラの治療に用いた。
哺乳類動物研究試験段階
2013年にハーバード大学医学部教授のDavid Sinclair氏が初めて「Cell」誌にマウスによる実験とその結果を発表しました。
NMNを使いNADを生後22ヶ月のマウス(人間の60~70歳相当)に1週間投与したところ、ミトコンドリアや筋肉の状態は生後6ヶ月相当(人間の20~30歳相当)の健康な状態に類似していたということです。
同年、ワシントン大学教授の今井眞一郎氏が、マウスにβ-ニコチンアミドモノヌクレオチド酸合成酵素(β-NMN)を注射したところ、内部のNAD+が増加し、晩年のマウスにあっては、容貌だけではなく、全体的な老化の改善(毛が太くて明るい)も現れ、平均寿命は2ヶ月(人間の6年相当)から4.6ヶ月延び、寿命が2.3倍程に増えたことが示され、科学界を震撼させました。
なお、David Sinclair氏の研究の集大成の著書である「LIFE SPAN」日本語版が、2020年9月23日に出版され、社会に大旋風を巻き起こしています。(その中でご本人は、毎朝1gのNMNを摂取していることを公表しています。)
人体研究及び臨床試験段階
2013年、NAD+が長寿蛋白活性を高めることがわかりました。
2016年、NAD+は人間のDNAを修復することで寿命を延ばすことができることがわかってきました。
2016年、NAD+はNMNで補充できることがわかりました。
2017年、NAD+の前駆体NMNを補充することによって、生物時計を調節し、睡眠障害の状態にある人を正常な生活リズムに戻らせることを発見されました。
2013年から2017年にかけての一連の研究によって、NAD+及びその関連前駆エネルギーは心臓、脳、神経末梢の保護効果とリスニング損傷にも回復作用があることが証明されました。
2017年から2018年にかけて、NMNは脳出血と血管の老化に対して改善作用があることもわかりました。
2019年に、内服NMNが人体NAD+の転送合成メカニズムを高めることがわかってきました。
2020年1月にNMNが安全に人に使いうることが世界で初めて確認されました。